「早く雛人形を片付けないと、お嫁に行けなくなるよ」いつまでも見ていたいのに、母親や祖母にこう言われて、渋々片付けた記憶はありませんか。なぜ雛(ひな)祭りが済んだら、すぐに雛人形をしまってしまうのでしょう。そもそも雛人形の意味とは。
雛人形とは
本来の雛人形とは、形代(かたしろ)、すなわち娘の身代わりとして、病気や災難などを全て託し、川や海に流して破棄するものでした。鳥取県や長野県では今日でも流し雛の風習があります。つまり、雛節供とは、本来祓(はら)いの行事なのです。
今でこそ雛人形は一体何万円もする高価なものですが、かつては紙や土で作られた簡素なものでした。立派な雛人形を飾るようになった江戸時代頃から、毎年捨てるわけにはいかなくなり、その代わりすぐに片付けなければならなくなったようです。本来からすれば、娘の災厄を託した人形をいつまでも家に飾っておくわけですから、いいはずがありませんね。
当時の観点からすれば、それは婚期が遅れるということだったのではないでしょうか。もしくは、そう言って、いつまでも見ていたがる娘をなだめ、大事な娘に災厄が降りかからぬよう、ご両親が知恵を出されたのかもしれません。いずれにせよ、一年のうちほんのちょっとしかお目見えしないお雛様。本音は、もう少し、長く飾っていたいですよね。だからといって、「うちの娘はもう結婚が決まったから、今年は長く飾るか」ということは、本来の雛人形の意味からすると違ってしまうことになります。
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